Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「真実の行方」―サイコパス,そして,精神障害者の現在
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.181
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108315
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サイコパス映画というジャンルができあがってきた.村上春樹が,'94年刊『やがて哀しき外国語』で,「危険な情事」や「不法侵入」など数本の作品を挙げ,「セブン」が断トツの成績を上げていた'96年2月,『キネマ旬報』が,サイコパス映画特集を組んだ.
しかし,本当のところ,サイコパスという言葉をポピューラーにしたのは麻原彰晃だ.なんといっても“麻原彰晃=サイコパス”論が雑誌メディアを中心に巷間話題になったのだから.関連書物によると,サイコパスとは,性格異常者ではあるが,精神障害者ではない,のだと.たとえば,分裂症の人が社会の規範を破ったとしても,犯罪責任はなしと判断される.しかし,サイコパスと診断された人が社会の規範を破った場合,その人は正気として判断され,刑務所に送られる.
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