巻頭言
「総合リハビリテーション」の行方
才藤 栄一
1
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
pp.409
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100294
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「総合リハビリテーション(以下,リハ)」の行方といっても筆者が心配しているのはこの雑誌の将来ではない.今回の診療報酬改定で,全く名目だけのものになってしまった施設基準のことである.
今回の診療報酬改定は,今までにない大きな問題を生んだ.筆者自身は,昨年9月から日本リハ医学会の社会保険等委員会特任理事として改定の現場に関わった.その過程で,日本リハ病院・施設協会や各療法士協会と協力して,厚生労働省,日本医師会,日本整形外科学会などの関係機関と種々のやりとりを体験した.今回の改定過程についての筆者なりの総括は,リハ医療を取り囲む関係機関に「強い利益誘導意識」や「リハ医療に対する根本的な理解不足」があり,それに抗することができず押し切られてしまった,というものである.そして,従来の報酬体系を根本的に変えてしまう無惨な結果となった.
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