Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「アナザヘブン」―「サイコパス」からの離脱,障害カテゴリーへの接近
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.885
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109321
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日本映画が良くなってきている,という感じがする.
「アナザヘブン」(監督/飯田譲治)は猟奇犯罪ものだが,前半こそリアルな世界に踏みとどまるものの,物語が進むにしたがって非現実的なホラー色を強めていく.それでいてこの時代を的確にとらえようと努力しているさまがみてとれ,好感がもてる.
“悪意の伝染”が生み出す連続殺人と,犯人を追う刑事にも悪意が伝染するのでは?というのが話の骨格.R指定になるほどの陰惨な場面が続くにもかかわらず,原田芳雄や柄本明らのかけ合いがユーモラスで,毒を飲んでも解毒剤が用意されているから大丈夫といったような安心した気持ちでのぞむことができる.
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