学会印象記
International Conference Bernstein's Traditions in Motor Control―1996年8月22日~25日,米国ペンシルバニア州ステートカレッジ
道免 和久
1
,
大田 哲生
2
1慶応義塾大学リハビリテーション科
2東京都リハビリテーション病院
pp.92
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108293
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Nicholai A Bernsteinとは,今世紀前半にロシアで活躍した神経科学者で,日本ではまだあまり知られていないが,Motor Controlあるいは神経科学の世界では,近年になって引用が急増している.彼は,リハビリテーション医学でも重要な概念である随意運動の仕組み,運動中のsynergyや運動学習についての考察などを,すでに50年以上前に書き記していた.それだけでなく,筋電義手,4リンク膝継手などの開発も行っていたという点で,リハビリテーションの歴史のなかでも再度見直さなくてはならない研究者ともいえる.
この国際学会は,Bernsteinの生誕100年を記念して,Bernsteinの卓見を踏まえながら,Motor Controlに関する最先端の研究成果を持ち寄って議論するのが目的であった.学会は,Pennsylvania州立大学Kinesiology学部のMark LatashがChairmanとなって,世界各国から約300名の研究者を集め,8月22日から25日の4日間にわたって開催された.
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