学会印象記
International Stroke Conference 2010(2010年2月23日~2月26日,サンアントニオ)
内山 真一郎
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1東京女子医科大学医学部神経内科学講座
pp.901-902
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100741
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International Stroke Conference (ISC) 2010が2010年2月23~26日に米国テキサス州サンアントニオ市で開催された(写真1)。本学会は名前こそ国際脳卒中会議と銘打っているが,実際にはAmerican Heart Association(AHA;米国心臓協会)とAmerican Stroke Association(ASA;米国脳卒中協会)主催の学会なので本来ならば米国脳卒中学会というべきかもしれない。ただし,最近のISCは米国以外からの参加者が増加しており,確かにISCという名称にも違和感がなくなった。
ASAはAHAの分科会であり,AHAといえば毎年秋に行われている世界最大級の年次総会(Scientific Session)が有名であるが,脳卒中関連の演題は大多数がAHAではなく,ISCで発表される。残念ながら,日本からのISCへの参加者は2年に1度(これまでは4年に1度)行われる世界脳卒中学会(World Stroke Congress:WSC)と比べるとはるかに少ない。その大きな理由の1つはISCの演題の採択率がAHAと同様極めて低いことが挙げられる。筆者はAHAのfellowであり,演題査読委員の1人でもあるが,多数の査読者が厳格に演題のレベルを評価しており,演題が採択されるだけで名誉と思わせる敷居の高い学会なのである。脳卒中専門医たちに「WSCはお祭りで,ISCは真剣勝負」と言われるゆえんはここにある。
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