学会印象記
8th International Conference, AD/PD参会記(3月14日~18日,ザルツブルグ)
河村 満
1
1昭和大学医学部神経内科
pp.1218-1219
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100165
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今回で8回目となるAD/PD学会は,モーツアルトの街ザルツブルグで開催された(写真1)。AD/PD学会はその名のとおり,アルツハイマー病(AD)とパーキンソン病(PD)に関する最新の研究成果を発表し,討論する学会である。今回は,2,300名ほどが参加したそうであるが,日本人の若い研究者の参加が少ない反面,韓国からの発表・参加が多いと,第5回の学会長を務められた水野美邦先生(順天堂大学)から伺った。
この学会で私は,PDの前駆病態としても最近注目されているRBD(レム期行動異常症)のMIBGと認知機能障害について発表した(Movement Disorders 22: 746-754, 2007)。今学会への参加をとおして,欧米では,ノン・モーター症状,RBDなどのPDの前駆病態が広く研究されている一方,ADに関しては私たちのような生理心理学的アプローチの発表はまったくみられず,彼我の違いを感じた。しかし,概して,欧米はメマンチン,ガランタミン,リバスチグミンといったAD治療のオプションが多く,そのことはうらやましく思う。
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