学会印象記
Alzheimer's Association International Conference 2013(2013年7月13~18日,ボストン)
小野 賢二郎
1
1金沢大学附属病院神経内科
pp.1414-1415
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101655
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2013年7月13~18日の間,米国のボストンのコンベンションセンターで開催されたAlzheimer's Association International Conference (AAIC) 2013に参加した(写真1)。1988年にラスベガス開催で始まったこの国際会議は,今年で16回目にあたる。僕は,2002年にスウェーデンのストックホルムで開催された第8回会議に参加し発表して以来,今回で7回目の参加となった。今年の国際会議は,5つのplenary session(計9演題),8つのsymposia(計32演題),13のfeatured research sessions(計52演題),2つのfocused topic session,3つのdeveloping topic session,53のoral sessions(計317演題),poster presentation(計1,464演題)であった。
今回の僕の発表内容は,ミリセチンやロスマリン酸をはじめとするフェノール化合物がアミロイドβ蛋白(Aβ)凝集の早期段階であるオリゴマー形成を抑制することにより細胞およびシナプス毒性を軽減させること,核磁気共鳴でミリセチンなどのAβへの結合部位を同定したということであった(写真2)。僕は,今回の研究を含め,これまで10年以上にわたりAβ一筋で研究発表を続けてきたが,今回の国際会議では,タウ蛋白への注目度がさらに上がっていることを改めて認識した。
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