学会印象記
International Conference on Alzheimer's Disease(ICAD) 2010(2010年7月10日~7月15日)
岩坪 威
1
1東京大学大学院医学系研究科神経病理学
pp.84-85
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100821
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世界最大のアルツハイマー病(Alzheimer disease:AD)に関する国際会議,ICADは2010年7月10~15日,ホノルルコンベンションセンターで開催された。ICADは1988年,Henry Wisniewski,Khalid Iqbal,Bengt Winbladら3名の科学者により創始され,当初は数百名規模,隔年開催の小集会であった。しかし,21世紀に入り運営を米国アルツハイマー病協会に委ね,ADの基礎研究に加えて臨床面の発表も充実し,全体の規模も急速に拡大しつつある。昨年からは例年開催となり,本年も3,800名が参加した。
現在,抗βアミロイド薬などのADに対する“disease-modifying drug”のグローバル治験が進行中であり,その結果が注目されるところであったが,今回公表された新たな知見はほとんどなかった(8月,Lilly社のγセクレターゼ阻害薬semagacestatの第Ⅲ相試験が突然中止された。その解析結果は次回の大きな話題となるであろう)。
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