Japanese
English
特集 脳卒中の機能障害―評価を中心に
摂食・嚥下障害の評価
Evaluation of Swallowing Disorders after Stroke.
藤島 一郎
1
,
小島 千枝子
1
Ichiro Fujishima
1
,
Chieko Kojima
1
1聖隷三方原病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Seirei Mikatabara General Hospital
キーワード:
摂食・嚥下障害
,
誤嚥
,
評価
Keyword:
摂食・嚥下障害
,
誤嚥
,
評価
pp.1136-1142
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108255
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はじめに
脳卒中のリハビリテーションを行うに当たっては,摂食・嚥下障害の評価と治療を避けて通ることはできない1).急性期のみならず,亜急性期,慢性期においても摂食・嚥下障害への対応を誤ると,栄養障害,脱水,嚥下性肺炎などによりリハビリテーション・プログラムの遂行が困難になる.特に高齢者の場合は,脳ドッグでのCT,MRIなどで「多発性の脳血管病変」を認めることが多く,初発の脳卒中発作と思われる場合でも容易に仮性球麻痺を呈し,肺炎などの合併症も重篤化しやすい.加齢2)は嚥下に大きく影響する.
嚥下障害という言葉は狭義には「物を飲み込むことができない」ことだけを意味している.しかし,リハビリテーションの立場からは食物の認知障害や拒食,取り込み,咀嚼,食塊形成など嚥下の準備段階の障害も大変重要であり,「食べることの障害」という広い見地から患者を診る必要があるため,摂食・嚥下障害という言葉が用いられることが多い.本稿でも「嚥下障害は飲み込みの障害」とし,「摂食・嚥下障害は嚥下障害を含んだ広い意味での食べることの障害」を指すこととした1).
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