書評
矢田賢三・他編―標準脳神経外科学 第7版
吉田 純
1
1名古屋大学脳神経外科学
pp.949
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108211
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脳外科領域の最新情報と基本的な知識が一挙に掌握出来るこの一冊
いまや日進月歩の脳神経外科学を普く網羅し,しかも溢れる最新情報を常に補充して行く必要があり,脳神経外科学の教科書を時代に適応して改定して行くことは並大抵のことではない.本書の初版が1979年に世に送りだされてから既に17年の月日が経過しているが,その間3年毎に6回の改定がなされ,常に時代に即した最新情報を補充してきた努力は,この本が日本の脳神経外科学の標準的な教科書として各個たる地位を築き上げてきた根源でもあり,またそのように対応してきた執筆者達の使命感をも感ずる.弛まぬ努力の下に3年前に第6版を発行し,現在までに総販売部数10万部を越えて幅広い読者層に支えられてきた本書もここ数年間の脳神経外科学の数々の発展を補充すべく再び改訂を試み,ここに第7版が世に送りだされた.改定内容としてまず第一に挙げるべきことは,本書の初版発刊から編集や監修の要として活躍され,本書の生みの親とも言うべき杏林大学学長竹内一夫先生がその座を退かれ,一執筆者に転任されたことであろう.しかし寧ろ改定内容には随所に竹内先生の息吹が感ぜられ,特にこの本の特色の一つでもある“Coffee Break”では竹内先生の加筆変更が至る所に見られ,さらに興味深く整えられており,読者を飽きさせない.
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