扉
これからの医学教育と脳神経外科学
長島 親男
1,2
1埼玉医科大学脳神経外科
2ハーベー・クッシング学士院
pp.5-6
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200558
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「これからの医学教育はどうあるべきか」の問題は,わが国のみならず世界の各国が真剣にとり組み,検討されている重要な問題である.この問題について,すでに15年のキャリヤーをもつイリノイ大学・医学教育学部Center for Educational Development, University of Illinois College of Medicineの教授団による「評価に関する医学教育ワーク・ショップ」が日本医学教育学会主催のもとに,さる5月27日と28日東京において行われ,筆者も参加する機会を得,米国の医学教育についての基本理念,医学教育が十分に行われたか否かの評価法,さらに教育方法や試験技術の新らしい方向などについて,いろいろ学ぶことができた.
このワークショップで筆者が感じたことは,ほとんどあらゆるものがコンピュータ化され,機械化医学の最先端をゆく,あの米国においてさえ,医学教育の根底をなす基盤は,医学の知識の豊かさではなく,"医師と患者との人間関係"においていることである.その証拠の1つとして,卒業試験の評価の対象には,各学科の点数だけでなく,Habits and AttitudeとSkillがきわめて重視されていることからもわかる.Habits and Attitudesとは,医学生が患者や患者の家族に対する態度,接し方,話しのし方など入間関係を評価する項目である.
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