Japanese
English
特集 姿勢保持のアプローチ
姿勢と脊柱の変形
Spinal Deformity and Posture.
李 俊凞
1
,
中村 耕三
2
Joon-Hee Lee
1
,
Kozo Nakamura
2
1自治医科大学整形外科
2東京大学医学部整形外科
1Department of Orthopedics, Jichi Medical School
2Department of Orthopedics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
側彎
,
前彎
,
後彎
Keyword:
側彎
,
前彎
,
後彎
pp.705-709
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108165
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脊柱の解剖と生理
脊柱は脊椎,椎間板,靱帯および筋で構成され,それぞれが姿勢の保持や運動に適した構造になっている.
脊椎は椎体,椎弓根,および椎弓とその突起からなる後方要素に分けて考えることができる.椎体は荷重を効果的に支持できるようにその上下面が平になっており,その内部には垂直な骨梁と水平な骨梁があり,軽くて強い荷重支持構造を形成している(図1).さらにその骨梁の間にある血液にも荷重負荷を吸収,伝達する役割がある1).しかし椎体には“すべり”や“ねじり”の動きに抗する働きはなく,この水平面での安定性は後方要素が担当している.後方要素の関節突起は椎体の前方辷りやねじれを防ぐようなロッキング機構になっており(図2),左右の上関節突起,下関節突起との間の部分(pars interarticularis)は強い力を伝達するために,その皮質骨は厚くなっている2).椎弓には多くの突起があり,脊柱に働くほとんどの筋はこれらの後方要素のどこかに付着している.
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