巻頭言
補装具給付についての雑感
吉永 勝訓
1
1千葉大学医学部附属病院理学療法部
pp.399
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108098
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嘱託医として携わっている補装具の判定業務を通して考えていることを書きたい.
平成7年12月26日付け厚生省発の「補装具の種目,受託報酬の額等に関する基準の改正」のなかで,モジュラー方式の車いすと共に「車いすに係わる円座交換に特殊な空気室の構造を持つもの」の基準額が設定された.このことはこの種のクッション(仮にRクッションと呼ぶ)の給付が認められるようになったことを意味する.Rクッションは車いす乗車時の座圧が低く抑えられて褥瘡予防に都合が良く,今回の改正は障害者にとって喜ばしいことである.その一方で通常のラテックス製クッションに比べて3倍以上のコストであるという点から考えて,判定の際に自治体の財政状況によっては,例えばプッシュアップによる除圧が十分に行えない脊損者などに適応が絞られることになるであろう.
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