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補装具とは,身体障害者福祉法および児童福祉法によって規定された法律用語である.補装具は,①失われた身体部位,または損なわれた身体機能を補完・代償するもの,②身体に装着(装用)して常に用いるもので,学校,日常生活あるいは職場などで作業用として使用するもの,③給付等に際しては原則として医師による処方や判定を必要とする(医師の意見書,あるいは身体障害者更生相談所に来所の場合には判定書),とされており,この3つの条件を満たしたものを補装具として定義することができる1,2).
リハビリテーションの分野では,福祉用具,日常生活用具,補装具,治療用装具などと,様々な用語が現在用いられており,これらの用語の概念を明確に理解し,整理することが必要となる.福祉用具は平成5年に制定された「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」に基づくもので,「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人または心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」として定義づけられており,補装具以外に日常生活用具,自助具なども含まれる.したがって補装具,日常生活用具や自助具などは福祉用具の一部として概念づけることができる.日常生活用具は,在宅での日常生活を便利または容易にすることや,介護する家族の負担を軽減するための用具機器類として位置づけられており,給付,貸与などのかたちで支給される.治療用装具は,コルセット,練習用仮義足,ギプス床,松葉杖,諸装具,副子,保護帽,サポーター,義眼,補助器などがあり,主に四肢・体幹の変形や機能障害に対する治療を目的として給付される.また治療の一手段として補装具が一時的に使われることがあるが,この場合には医療保険制度による療養費払いで給付が行われる.
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