Japanese
English
症例報告
閉鎖病棟に長期入院中の分裂病者に対する入院作業療法―フットベースボールの有効性
Occupational Therapy for Long-term Inpatients of Schizophrenia in a Closed Word: The Efficacy of Footbaseball.
千丈 雅徳
1
,
山本 朋子
2
,
柴田 百々子
2
,
関寺 智子
2
,
熊谷 敦子
2
,
佐々木 薫
2
,
菅原 真理子
2
,
炭田 茂正
2
,
矢萩 健一
2
,
中江 重孝
2
,
中江 義孝
2
Masanori Senjo
1
,
Tomoko Yamamoto
2
,
Momoko Shibata
2
,
Tomoko Sekidera
2
,
Atsuko Kumagai
2
,
Kaoru Sasaki
2
,
Mariko Sugawara
2
,
Shigemasa Sumita
2
,
Ken-ichi Yahagi
2
,
Shigetaka Nakae
2
,
Yoshitaka Nakae
2
1北海道医療大学臨床心理学講座
2中江病院精神科
1Department of Clinical Psychiatry, Health Sciences University of Hokkaido
2Department of Psychiatry, Nakae Hospital
キーワード:
入院作業療法
,
精神分裂病
,
閉鎖病棟
,
フットベースボール
Keyword:
入院作業療法
,
精神分裂病
,
閉鎖病棟
,
フットベースボール
pp.505-510
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107881
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
入院作業療法は精神障害者の社会復帰のために重要な役割を果たしている精神科的治療法のひとつである.作業や活動を媒介にし,治療者-被治療者間の関係を利用することによって,知・情・意の全般にわたる人間としての基本的な営みを医学的立場から援助する.そして,その目的とするところは社会生活機能の回復にある.
われわれは,より効果的な治療法を追及するためにさまざまな種目を採用し,有効性を評価しながら実践してきたが,今回,当院において作業療法導入が最も困難であると判断された一群,すなわち,男子閉鎖病棟に長期入院中の精神分裂病者に対して,かなり有効であると思われるプログラムを見いだした.それは,野球のルールを基本にしたフットベースボール(以下,FBB)である.
そこで,FBBの実践状況を具体的に紹介するとともに,実際にレベルの向上をみた2症例の経過を報告し,併せて有効である理由に関して若干の考察を行った.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.