Japanese
English
特集 慢性関節リウマチ―外科治療とその後療法
上肢
Postoperative Rehabilitation for Upper Extremities in Rheumatoid Arthritis.
高岸 憲二
1
Kenji Takagishi
1
1北里大学医学部整形外科
1Department of Orthopedics, School of Medicine, Kitasato University
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
手術
,
リハビリテーション
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
手術
,
リハビリテーション
pp.381-385
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107854
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)は多関節を侵す全身性の炎症性疾患であり,その特徴として慢性かつ進行性であることが挙げられる.全身性疾患であることから治療の主体はNSAIDsや免疫調節剤などの薬物療法となる.しかし,薬物療法を行っているにもかかわらず限局した関節において初期では関節の腫脹および疼痛が,また,晩期においては関節破壊による関節の変形が起こり,疼痛が持続することがある.このような場合にはこれから述べる外科的治療の適応となる.
その手術適応を考慮するうえで単に1関節の腫脹および疼痛があるからといって安易に手術療法を行うことはなく,その患者の経過,関節機能障害の状態,日常生活動作において患者の困っている点,患者の希望などを考慮に入れ,十分な薬物療法およびリハビリテーションが行われているかなどを総合的に判断することが必要になる.一般に手術療法を行うには,それに先だって少なくとも半年以上の薬物療法や作業療法および理学療法などの保存的療法が行われており,全身の炎症活動性をある程度鎮静化させた症例が対象になる.
RA上肢の整形外科的治療としては,肩関節ではRAによる肩峰下滑液包炎の切除術,滑膜切除術および人工肩関節置換術,肘関節では滑膜切除術および人工肘関節置換術,手関節では滑膜切除術,断裂伸筋腱の再建術および関節固定術,指関節では滑膜切除術などが挙げられる.
ここではRAにおけるいくつかの上肢の外科治療とその後療法について述べる.
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