Japanese
English
特集 慢性関節リウマチ―外科治療とその後療法
股関節
Surgical Treatment of the Hip Joint in Rheumatoid Arthritis.
藤森 十郎
1
,
吉野 槇一
1
Juhro Fujimori
1
,
Shinichi Yoshino
1
1日本医科大学リウマチ科
1Department of joint Disease, Nippon Medical School
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
外科治療
,
股関節
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
外科治療
,
股関節
pp.387-392
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107855
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慢性関節リウマチの外科治療を考慮するにあたり,認識しておくべき基本事項
近年,慢性関節リウマチ(RA)に対する外科治療の進歩は著しく,RAの原因療法が確立されていない現在,なくてはならない治療法の一つとなっている.しかし,外科治療がいかに進歩したからといっても,RA治療の中心はあくまでも薬物療法にあることを忘れてはならない.RA活動性がコントロールされていない例では,たとえ手術が一時的に効果をあげたとしても,局所の炎症が再然したり,他関節の悪化のために手術の効果が水泡に帰すことがある.つまり,外科治療は直接RAの自然経過に影響を及ぼすことは少なく,単に患者の病態に応じた対症療法の一つであると認識しておくべきである.
そこで,外科治療を考える際は,局所病変のみに捉われることなく,RA活動性の良否,他関節の状態,重篤な合併症の有無,年齢など,患者を全体的に把握したうえで,その適応を決める必要がある.さらに,術後療法を円滑に行うためには,患者に意欲があり,医師・理学療法士などのリハビリテーションに関わるスタッフと意志の疎通ができるといったことも大切な要素である.
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