巻頭言
「リハビリテーション医学」を考える
鈴本 堅二
1
1東北大学医学部障害科学肢体不自由学分野
pp.277
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107831
- 有料閲覧
- 文献概要
「総合リハビリテーション」誌創刊20周年の巻頭言(1992年)において,故土屋弘吉先生が本誌の創刊から現在までを回顧されている.創刊号での先生の巻頭言では既にリハビリテーション医学会が発足し,PT・OTの制度が確立し養成校も設立されたものの,当時のリハビリテーション医学教育の不備,医療における低い保険点数や不十分な福祉・施設の体制を指摘されている.創刊11年目でも先生は学会創立後20年を振り返り,学会会員の増加,専門医制度の発足や関連分野の充実など順調な発育のなかで,特にリハビリテーション医学教育の立ち後れに再び警鐘されている.さらに本誌創刊20周年記念号でも早期に社会的に責任ある立場になることを論され今後の発展を期待されている.
このような学会やリハビリテーション事情の変遷のなかで,また学会の世代交代が進行しつつある現在,包括的な「リハビリテーション」,「医学的リハビリテーション」とこれらの核となるべき「リハビリテーション医学」の相互の関係や在り方について再認識し,特に「リハビリテーション医学」については学会としても長年の懸案である卒前教育・卒後研修制度を早期に確立すべき時期にあると思われる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.