Japanese
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特集 第16回リハビリ世界会議から
文学からリハビリテーションを考える
From the 16th World Congress of Rehabilitation International, Tokyo, 1988: Rehabilitation as Conceived from Literature.
大江 健三郎
Kenzaburo Oe
キーワード:
文学
,
障害の受容
,
新しい人間像
Keyword:
文学
,
障害の受容
,
新しい人間像
pp.933-935
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105960
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第16回リハビリテーション世界会議で話をさせていただくことを光栄に存じます.しかしこのお誘いを受けた時,僕は迷ったのです.僕は作家であり,リハビリテーションの専門家ではありません.同時に,僕は障害児の父親であって,リハビリテーションには切実な関心をいだいているからです.そのジレンマをなお持ちつづけた上で,お話しをするのです.
25年前,僕の最初の息子が生まれてきた時,かれは脳に障害を持っていました.これは事故でした.ところがいま僕は,作家である自分のもっとも本質的な主題が,生涯にわたって,障害児である息子と,家族ぐるみ,どのように共生するか,ということであるのを認めねばなりません.
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