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特集 リハビリテーション・スタッフのトピックス
―今,リハビリテーションエ学の分野では―テクニカル・エイド・センター構想をめぐって
The Trend of Rehabilitation Engineering.
市川 洌
1
Kiyoshi Ichikawa
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute
キーワード:
テクニカル・エイド
,
機器支援
,
適用技術
Keyword:
テクニカル・エイド
,
機器支援
,
適用技術
pp.311-314
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107837
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はじめに
テクニカル・エイド・センターとは何か.わが国では構想がいくつか考えられているが,具体的に実現している例はない.
リハビリテーション工学の領域では,アメリカを中心としてリハビリテーション工学センター(REC)としての活動が知られている.このセンターは病院や大学に併設され,主として新たな機器の開発や工学のリハビリテーションへの応用に力点をおいて活動している.外から見ていると福祉システムとの協調もなく,単発的な研究開発の積み重ねという感がする.
一方,北欧ではテクニカル・エイド・センター(場合によっては補助器具センターと訳されている)と呼ばれるセンターが義肢装具や感覚障害用の機器を除いた各種の福祉機器の供給の最前線としてその活動が知られている.種々の福祉システムと協調して活動し,全体的な支援の一部分として位置づけられている.
リハビリテーション工学センターとテクニカル・エイド・センターではそのカバーする領域が異なるが,前者は「エ学」に主体をおいた活動を,後者は具体的な「機器支援」に主体をおいた活動をしていると見ることができよう.わが国のリハビリテーション工学は北米型で展開してきたが,数年前から北欧型への試みが始まっている.本文では後者の最近の動きを中心として論じる.
テクニカル・エイドという言葉自体が,使う人によって意味あいが異なっている.本来,工学技術を応用した支援機器という意味であるが,一搬的には福祉機器全般を意味する言葉として使われ,さらに広く住環境や都市環境などの整備も含めて使われたりする,ここでは幅広い定義としてテクニカル・エイドを考えることとする.
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