巻頭言
リハビリテーション「科」について考える
青木 治人
1
1聖マリアンナ医科大学リハビリテーション部
pp.639
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107414
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「起」起承転結とは漢詩で絶句の構成の名称である.広辞苑によれば最初の起句で詩思を提起し,つぎの第2の承句ではその起句を承け,第3の転句でいままでの詩意を一転させ,最後の第4の結句で全体の詩意をまとめるものである.これはさらにすすんで物事の順序,組み立てなどを示すことにも使われている.リハビリテーションを行う場合においても当然必要とされることである.
「承」まず患者を診察し,機能障害,能力障害などについて評価を行い,その問題点をみつけ,到達できる(すべき)目標を立て,それに向かって治療プログラム作る.これが「起」であろう.このプログラムにそって種々な治療手段を用いて実際はリハビリテーションが行われるわけであるが,これは「承」に当てはまる.しかし,常に最初のプログラム通りに物事が進むとは限らず,目標を設定し直し,プログラムを変更することが必要となる.これが「転」である.そして変更を加えられたプログラムに沿ってリハビリテーションを行い,設定された目標,いわゆる「ゴール」に達する.これで「結」となる.
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