総会シンポジウムを聞いて
リハビリテーションを考える
芳賀 敏彦
1,2
1国立療養所東京病院外科
2リハビリテーション学院
pp.874-875
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201821
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総合は患者治療のうえで
分化と総合という今回の日本医学会総会の主題のなかで分化の面はたしかに医学の全分野にわたつてかぎられた日数のなかでできるかぎり細分化されてそれぞれの最先端の発表がなされた。たとえば循環器疾患にしぼつても16にわたる特別講演とシンポジウムがもたれた。そして少し専門をはずれる部門に出るともう理解するのに困難な新しい方法,考えかたで課題が研究されていた。さてこれらを総合する部分はどうであつたろうか。一つのシンポジウムのなかで主題がさらに分化され各座長の巧みな司会でその主題に関しては総合されていた。しかし医学全体のありかたを各分野を通じて考えてみることはあるいは不可能であり,またまとまりのないものに終わるかもしれないが,医学概論というのが現代社会における各疾患の医療のありかたを考える時と場所はわずかに開会式特別講演における前東大総長,茅誠司博士の講演と日本医師会長武見太郎博士司会による「医学教育から医療制度」においても主として医学教育の面からその一端をうかがう機会があつたにすぎない。もちろん今回の学会は医学会であつて各疾患を医療全体を通じて論じる場でないといえばそれまでであるが,分化した問題を各人に呈示してそれを患者治療のうえで総合するのはわれわれ参加者に与えられた宿題のように思われた。
さてここで与えられた課題のリハビリテーションが本学会でいかに取り扱われていたであろうか。
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