Q & A
Q:QOL評価の動向,およびADLとの関連について教えて下さい.
小嶋 裕
1
1高知リハビリテーション学院理学療法学科
pp.1081
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107759
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A:QOL(quality of life:生活の質)は巨大で多面性を有する概念のため,それを論ずる者の立場により定義が異なり,研究者の数だけQOL評価法があると言っても過言ではない.QOLという言葉は一般化してきたが,リハビリテーション医学の専門用語としては依然として混沌としており,統一的見解がないのが現状である.
リハビリテーション医学においては,QOLは患者の身体・生活状況ばかりではなく社会的・心理的状況をも含んだ総合的で包括的な概念であると考えられ,少なくとも患者の多面的な状況把握に役立ち,さらにリハビリテーション医療における治療計画立案やその効果判定にも役立つ必要がある.また,リハビリテーション医学では単一疾患を取り扱うのではなく,障害を有する多種類の疾患を対象とするので,疾患特異性が少なく対象疾患全般に使用できるものが望ましい.さらに,評価の妥当性や信頼性が証明されていることが大切であり,各年代や男女別の標準値が設定されていなくてはならない.
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