Japanese
English
特集 ADLとQOL
ADLとQOLを考える―特集にあたって
ADL and QOL in Rehabilitation.
上田 敏
1
Satoshi Ueda
1
1帝京大学市原病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University Ichihara Hospital
キーワード:
ADL
,
QOL
Keyword:
ADL
,
QOL
pp.915-916
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107480
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
QOLの思想的基盤とADLとの関係
QOL(quality of life)がリハビリテーション医学の世界で大きく取り上げられたのは1979年11月ホノルルで開かれた第56回アメリカ・リハビリテーション医学会(ACRM)のテーマとして取り上げられてからである.この学会の会長であり,このテーマを推進したTP Andersonは,このテーマが重要視されるようになった契機として,1)リハビリテーション医療の質の保証(quality assurance)との関連で単に退院時の状態だけでサービスの質を評価するのでなく,その後長期にわたる生活全般を考えて評価すべきだとの考え方が強くなってきたこと.2)障害者の自主性が高まり,特に自立生活運動が盛んになってきたことを挙げている1).この学会での討議の一端はFlanagan2),Kottke3),Zola4),DeJong5)などに見ることができる.
これより先,ホノルル大会を目前にした1979年10月の米学会機関誌Archives of Physical Medicine and Rehabilitationは大会でのQOLについての討議資料としてQOL特集号を発行した6).この号でDeJong7),Verville8),Zola9),Berrol10)等々の多数の論者が障害者の自立生活(independent living;IL)の理念と実際を広い角度から論じているが,このような異例な特集号が出されたこと自体がIL運動とQOLとの深い結びつきを示していると言ってよい.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.