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特集 目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法(動画付き)
第1章 基本的神経診察
その他の運動系(筋萎縮,fasciculation,筋トーヌスなど)
The Basic Neurological Examination Other Motor Systems(Muscular Atrophy, Fasciculation, Muscle Tonus)
逸見 祥司
1
Shoji HEMMI
1
1川崎医科大学神経内科
1Department of Neurology, Kawasaki Medical School
キーワード:
筋萎縮
,
muscular atrophy
,
線維束性収縮
,
fasciculation
,
筋トーヌス
,
muscle tonus
Keyword:
筋萎縮
,
muscular atrophy
,
線維束性収縮
,
fasciculation
,
筋トーヌス
,
muscle tonus
pp.817-823
発行日 2024年1月19日
Published Date 2024/1/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202206
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はじめに
現代医療の発展は目覚ましく,複雑化する診療内容に対応するために,高度に分業化・専門化が進んでいる.西洋医学に基づく現代医療は,本来はひとつである身体を細分化する考えのもとに成り立っており,脊髄・末梢神経疾患に関わる診療科だけでも,「脳神経内科」「整形外科」「脳神経外科」「リハビリテーション科」など複数に分かれている.この分業体制は効率的であり,明らかに多くの恩恵をもたらしてきた.専門分野に特化することで,その分野のスキルのみを習熟すればよくなり,同時に専門化することで,同じ業務を行う頻度が増えるので,スキルの向上にもつながった.ところが,専門家にすべてを委ねることで,自分の専門外だからと責任を放棄したり,自分に降りかかる問題を自分で受け止められなくなったりといった,役割分担が進んだことによるデメリットもみられる.手足の筋力低下やしびれ感を訴える患者は年々増えているが,医療の専門化が進んだため,どの診療科を受診したらよいか迷うことが少なくない.脊髄・末梢神経の疾患領域は幅が広く,しばしば自分の専門分野とは異なる患者を診ることがある.中には診断が容易ではないものや,想定外の疾患も含まれているため,的確な診察・検査を行って正しい方針を立てる能力が求められる.これに対応するために,本稿では基本的神経診察のうち,①筋萎縮,②線維束性収縮(fasciculation)などの筋収縮,③筋トーヌスの診かたについて概説する.
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