Japanese
English
特集 慢性腰痛
腰部筋内圧と慢性腰痛―コンパートメント症候群の病態
Intramuscular Pressure of the Back Muscles and Chronic Low Back Pain.
紺野 慎一
1
,
菊地 臣一
1
Shinichi Konno
1
,
Shinichi Kikuchi
1
1福島県立医科大学整形外科
1Department of Orthopedics, Fukushima Medical College
キーワード:
腰部筋内圧
,
慢性腰痛
,
コンパートメント症候群
Keyword:
腰部筋内圧
,
慢性腰痛
,
コンパートメント症候群
pp.745-749
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107687
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はじめに
腰椎背筋群が1つのコンパートメント内に存在するという解剖学的事実はPeckらによって初めて報告された.これ以降,腰痛の原因として腰椎背筋群のコンパートメント症候群が新しい疾患概念であるという可能性が示唆されてきた1,15,17).慢性腰痛の一つに,腰痛性間欠跛行がある.われわれはこの症状が腰椎背筋群のコンパートメント内圧上昇に由来している可能性が高いと考えている6,11,12).また,腰椎背筋群のコンパートメント症候群という病態は,報告されている18)ような稀なものではなく,高齢者ではよく遭遇する病態である6,12).特に,腰部変性後彎を有する場合には,標準姿勢や胸椎後彎を有する群と比較して腰痛の頻度および程度が高く9),さらに腰部変性後彎例では,腰椎背筋群の筋内圧が上昇している症例が多いことから,本症の病態には長期間にわたる慢性筋血流障害が関わっている可能性が高い5).
本論文では慢性腰痛の一因子としての慢性コンパートメント症候群の概念と病態を中心に述べる.
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