発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013274349
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症例は44歳男性で、仕事中プレス機に右手指を挟まれ、挟まれた直後に自らその手指をプレス機から引き抜き受傷した。右示指~環指で基節骨レベルでの切断が、右小指では中節骨レベルでの切断が認められた。また、切断指には一部筋線維を伴った屈筋腱が付着したままの状態であった。右前腕掌側に自発痛・圧痛があったが腫脹は軽度であった。切断指の圧挫が強く、屈筋腱の引き抜き損傷を伴っていたことより、緊急で全身麻酔および伝達麻酔下に右示指~小指の断端形成術を施行した。術後、入院となったが徐々に右前腕部の疼痛が増強し、受傷から17時間後ペンタゾシン投与でも自制困難な状態となった。前腕掌側で55mmHgと著明な内圧上昇が認められたため、前腕掌側のコンパートメント症候群と診断し、緊急筋膜切開術を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013