Japanese
English
実践講座 リハビリテーションに役立つ整形外科的診察法 4
慢性腰痛
Diagnosis of chronic backache.
菊地 臣一
1
Shin-ichi Kikuchi
1
1福島県立医科大学医学部整形外科学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
慢性腰痛
,
診断
Keyword:
慢性腰痛
,
診断
pp.938-940
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100193
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はじめに
腰痛に関わるコストは,近年,医療のみならず産業面にも多大な経済的負担を与えている.また,国民のQOL(quality of life)を大きく阻害する要因の一つとしても世界的な関心を集めている.とくに慢性腰痛は,作業関連疼痛の代表的な症状の一つとして,各国とも産業医学を始めとして多方面からさまざまな研究や対策が模索されている.しかし,未だに十分な解決策が見いだされたとは言えない.事実,急性腰痛の診療ガイドラインは,既に10か国以上で発刊されているが,慢性腰痛の診療ガイドラインは未だに発刊されていない(ごく最近,EUから発刊された).ここでは,慢性腰痛について,近年明らかにされた知見を中心に,診察に限定して述べてみる.
慢性腰痛の診察でも,急性腰痛のそれと同様に,病歴作成と脊柱所見や神経学的所見を始めとした理学所見の評価は必須である.したがって,ここでは教科書的な診察手技は省く.
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