Japanese
English
短報
60歳以上の脳卒中患者における最大歩行速度決定因子の検討
Determinants of Maximum Gait Speed in Patients with Hemiparesis at 60 or Older of Age.
前田 哲男
1
,
溜池 修
2
,
村木 宏行
2
,
中條 美紀
2
Tetsuo Maeda
1
,
Osamu Tameike
2
,
Hiroyuki Muraki
2
,
Miki Nakajou
2
1鹿児島大学医療技術短期大学部理学療法学科
2市比野温泉病院
1Department of Physical Therapy, Kagoshima University School of Allied Medical Sciences
2Ichihino Onsen Hospital
キーワード:
脳卒中
,
60歳以上
,
歩行速度
,
麻痺側筋力
Keyword:
脳卒中
,
60歳以上
,
歩行速度
,
麻痺側筋力
pp.55-57
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107531
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はじめに
脳卒中患者の歩行速度と他の因子との関係の分析は,患者のどの機能が改善すれば歩行速度が増加するかを予測するものであり,脳卒中患者の理学療法計画立案のために重要である.
これまでに,脳卒中患者の歩行速度を決定している因子として,麻痺側(患側)大腿四頭筋筋力1-4),年齢4),麻痺側機能(上田の12grade)4)などが検討されている.
これらの因子のなかで年齢に関して,脳卒中患者の年齢と歩行の予後との関係では,60歳末満の患者とそれ以上の患者で歩行の予後が異なるという報告5)がみられることから,年齢以外の因子を検討するためには患者の年齢を限定し,歩行速度を決定している因子を検討することが必要である.
また,ある変数(従属変数)を他の変数(独立変数)の1次方程式で予測する場合,回帰分析や重回帰分析を用いるが,歩行速度の予測の場合,従属変数を一定距離を歩行するのに必要な時間とするのか,歩行速度とするのか,それとも,運動エネルギーは速度の2乗に比例する(エネルギー保存の法則)ので歩行速度の2乗とするのかはまだ検討されていない.
本研究の目的は60歳以上の脳卒中患者の最大歩行速度に関係すると考えられる因子の検討を行うことであり,その場合の従属変数は何が適切かについても検討した.
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