Japanese
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短報
高齢者におけるコントラストポラリティ効果
Contrast polarity Effects Eldery Persons.
小林 巌
1
,
中村 貴志
2
,
布川 博士
3
,
佐藤 究
4
,
奥住 秀之
1
,
清水 裕志
5
,
古山 和宏
5
Iwao Kobayashi
1
,
Takashi Nakamura
2
,
Hiroshi Nunokawa
3
,
Kiwamu Satoh
4
,
Hideyuki Okuzumi
1
,
Yuji Shimizu
5
,
Kazuhiro Furuyama
5
1東北大学教育学研究科
2東北大学医学部老年内科
3東北大学電気通信研究所
4東北大学大学院情報科学研究科
5西仙台病院リハビリテーション科
1Faculty of Education, Tohoku University
2Department of Geriatric Medicine, Tohoku University School of Medicine
3Research Institute of Electrical Communication, Tohoku University
4Graduate School of Information Science, Tohoku University
5Department of Rehabilitation Medicine, Nishi-Sendai Hospital
キーワード:
コントラストポラリティ効果
,
高齢者
,
反応時間
Keyword:
コントラストポラリティ効果
,
高齢者
,
反応時間
pp.51-53
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107530
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はじめに
リハビリテーションにおいては,高齢者の生活の質を高め,彼らが充実した社会生活を営むための援助をすることが一つの目標である1).
さて,高齢者の社会参加に関して,近年は高齢者がコンピュータを利用する機会が増加している.コンピュータを利用し,彼らの社会参加の機会を促すための試みもなされている.例えば,パソコン通信により高齢者が異世代間,同世代間のコミュニケーションを容易に行うことができるようになり,海外では彼らのパソコン通信の利用に対し公共団体などから援助が出ているケースもある2).しかし,今あるコンピュータの利用においては視覚の負担が大きい.高齢者は成人と比較して視覚に問題があるといわれており3),高齢者の眼に見やすく,かかる負担の少ないCRT表示装置(cathode-ray tube;以下,CRTと略す)を開発することは,彼らが今後より幅広くコンピュータを利用していくうえで重要な課題といえる.しかし,高齢者に見やすいCRTについて検討した報告はほとんど見られない.
ところで,CRT画面の見やすさに関して,コントラストポラリティ効果という現象が知られている4,5).コントラストポラリティ効果とは,白背景/黒文字(以下,W/B条件と略す)の読み材料よりも黒背景/白文字(以下,B/W条件と略す)のほうが読みやすいという現象である.本研究では,高齢者を対象とし,W/B条件,B/W条件の2条件においてCRT画面に2つの形態を同時に呈示し,形態が同じか否かわかったらキー押しをさせた.形態を呈示してからキーを押すまでの反応時間を求め,コントラストポラリティ効果について検討した.
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