Japanese
English
特集 神経心理障害とリハビリテーション
地理的失認と相貌失認
Topographical Disorietation and Prosopagnosia.
高橋 伸佳
1
,
河村 満
1
Nobuyoshi Takahashi
1
,
Mitsuru Kawamura
1
1千葉大学医学部神経内科
1Department of Neurology, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
地理的失認
,
街並失認
,
道順障害
,
相貌失認
Keyword:
地理的失認
,
街並失認
,
道順障害
,
相貌失認
pp.667-670
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107420
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
「熟知しているはずの場所で道に迷う」あるいは「熟知しているはずの人の顔を見ても誰であるかわからない」という症状は,痴呆,意識障害,記憶障害などの患者でしばしば認められる.しかし稀に,これらの症状が,脳内の限局病変によってほぼ選択的に生ずることがあり,その場合,前者を地理的失認(地理的障害,地理的失見当),後者を相貌失認と呼ぶ.これらの患者のリハビリテーションや生活指導を考える際には,個々の患者の症候を正確にとらえ,その患者にとって何が可能で何が不可能かを知ることが重要である.
本論文では,地理的失認と相貌失認のそれぞれについて,自験例での検討を中心に,まず症候と病巣について概説し,次にそれらの患者のリハビリテーション,生活指導について述べる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.