Japanese
English
特集 失語,失行,失認のリハビリテーション
視覚性失認
Visual agnosia
平山 和美
1
Kazumi Hirayama
1
1山形県立保健医療大学
キーワード:
物体失認
,
相貌失認
,
街並失認
,
代償的訓練
Keyword:
物体失認
,
相貌失認
,
街並失認
,
代償的訓練
pp.238-244
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033030238
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内容のポイント Q&A
Q1 視覚性失認の分類,責任病巣は?
わからなさの段階により,知覚型,統合型,連合型に分類される.わからない対象の種類により,物体失認,相貌失認,街並失認に分類される.責任病巣としては,知覚型視覚性失認では初期視覚皮質の皮質層状壊死,物体失認では左紡錘状回,相貌失認では右錘状回,街並失認では右海馬傍回が重視される.
Q2 視覚性失認の評価法は?
視力・視野の評価,視覚性失語,意味記憶障害,画像失認との鑑別を行う.図の模写の結果や,単純な形がわかるか,視覚的ノイズの影響をもとに,わからなさの段階の評価を行う.わからない対象の種類については,まず実物,実際の人物,現地での風景について障害があることを確認したのち,写真等による検討を行うのがよい.
Q3 視覚性失認に対するリハビリテーションは?
代償的なリハビリテーションが優先する.本人や周囲の人に,それぞれのタイプの視覚性失認があっても使える感覚や,わかる視覚特徴を挙げ,判断にそれらを利用することを提案する.物体失認では特徴の枚挙と選択による同定,街並失認では目印の書き込みや写真を入れた地図の携行等の報告がある.相貌失認では,周囲の人々に病態を理解してもらうことが,社会生活上,特に重要である.
Q4 最近の話題は?
スマートデバイスを利用した街並失認のリハビリテーションの報告があり,デバイスの進歩に伴う他の視覚性失認への応用の広がりが期待される.
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