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変わりゆく精神科医療~リハビリテーション医療とのコラボレーションを考える~
北村 立
1
1石川県立こころの病院
キーワード:
逆境的小児期体験 (ACEs)
,
包括的支援マネジメント (ICM)
,
地域平均生活日数訪問リハビリテーション
,
地域医療構想
Keyword:
逆境的小児期体験 (ACEs)
,
包括的支援マネジメント (ICM)
,
地域平均生活日数訪問リハビリテーション
,
地域医療構想
pp.830-834
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034080830
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はじめに
精神科医療とリハビリテーション医療とのコラボレーションを考えるという大風呂敷を広げてみたが,具体的な案があるわけではない.しかし新たな地域医療構想における両者の位置づけや協働を考えるうえで,まずは最近の精神科医療の状況を知ってもらう必要があると考え,筆をとった.
筆者は能登半島のへき地診療所に勤務した後,1992(平成4)年から石川県立こころの病院(旧県立高松病院,以下,当院)に精神科医として勤務している.当院に勤務を始めた頃に比べ,精神科病院も患者も取り巻く環境もずいぶん変わった.統合失調症中心,医師中心,薬物療法中心,入院(収容)中心の考え方から,多様な疾患に対し,多職種協働でかかわり,薬物療法だけでなく心理社会的な治療を行い,可能な限り入院期間は短くして,当事者の地域での生活を支えるというように進化した(図1).本稿では現在のわが国において,精神保健の充実が重要であることを説明したうえで,当院スタッフが積極的に取り組んでいる包括的支援マネジメントと認知症リハビリテーションについて説明し,最後に精神科医療とリハビリテーション医療の接点がありそうな問題について私見を述べる.

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