Japanese
English
短報
脳障害患者に対する新しい自発性評価表(S-Score)使用の試み
New Evaluation Method by using Spontaneity Score (S-Score)in Patients with Brain Disorders.
涌井 富美子
1
,
園田 茂
1
,
赤星 和人
1
,
中西 之信
1
,
沢 俊二
1
,
内田 成男
1
,
田中 さつき
1
,
林 淑子
1
,
布谷 芳久
1
,
椿原 彰夫
1
Fumiko Wakui
1
,
Shigeru Sonoda
1
,
Kazuto Akaboshi
1
,
Yukinobu Nakanishi
1
,
Syunji Sawa
1
,
Shigeo Uchida
1
,
Satsuki Tanaka
1
,
Yoshiko Hayashi
1
,
Yoshihisa Nunotani
1
,
Akio Tsubahara
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
自発性
,
頭部外傷
,
脳血管障害
,
リハビリテーション
Keyword:
自発性
,
頭部外傷
,
脳血管障害
,
リハビリテーション
pp.507-510
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107382
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はじめに
頭部外傷によるびまん性軸索損傷や脳血管障害による前頭葉障害,軽度遷延性意識障害をきたした患者には,自発性の低下や合目的行動の障害を認めることが多い1).そのためにリハビリテーション医療の場において,身体機能障害が軽度の割に日常生活活動(動作)(以下,ADLと略)が障害されている症例も少なくない.私達は臨床の場において,このような自発性が低下している患者の回復過程が症状や疾患にかかわらず,多くの場合ほぼ共通していることを経験している.しかしこれらの障害に対する評価法については,今まで幾つかの行動尺度2,3)が報告されているのみで,患者の自発性の改善を的確に捉えうるものは見当たらない.
そこでわれわれは自発的行動の変化を評価し,かつアプローチ手段としても応用できる評価表(S-Score:Spontaneity Score)を新たに作成し,自発的行動の障害を呈する患者のリハビリテーションに適応し,若干の知見を得たので報告する.
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