Japanese
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特集 職業リハビリテーションの最近の動向
職業的リハビリテーションの対象の拡大と到達ゴール
The Expansion of the Target Population and Vocational Goals in the Vocational Rehabilitation Services.
小川 孟
1
Hajime Ogawa
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
対象の認定
,
職業的不利
Keyword:
対象の認定
,
職業的不利
pp.269-273
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107330
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はじめに
障害者のリハビリテーションが重い障害を持つ人々の自立生活と社会参加をそのゴールとして包含するようになったことは,職業的,経済的自立を目標としてきた職業的リハビリテーションのゴールの多様化と対象の拡大を促すようになった.国際労働機関(ILO)の「職業リハビリテーションと雇用(障害者)に関する条約」においても,あらゆる種類の障害者を含むことと,仕事に就いたりそれを継続し向上する見込みが相当に減退している,いわゆる重度の障害者を対象とすることがうたわれている.わが国においては周知のとおり職業的リハビリテーションに関連する各種施策は労働行政だけでなく厚生,文部など他の行政系列においてもそれぞれ独自に行われており,障害の種類によっても細分化されている.このため職業的リハビリテーションのサービスを提供する窓口機関や施設が所属する行政系列によって障害者の認定や重度障害者の定義,到達目標の設定,援助の内容などが異なり,対象の拡大についてもその基準や範囲は必ずしも明確でない.
本稿ではこうした問題を実際にサービスを行っている現場の視点から検討し,これらが利用者にとって分かりやすいシステムとして機能する可能性について考えてみたい.
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