- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
小池(司会) 本日はウィルソン先生が来日中で,たいへんいい機会を得ましたので,座談会を開かせていただくわけでございます.
まず最初に一般的な質問を,皮切りの意味で私からさせていただきまして,引き続いて諸先生に,もっと突っ込んだ質問をしていただいて,フリー・ディスカッションのかたちで進行させていただけたらと思っております.
ウィルソン先生は,日本に占領当時から何回もきておられます.とくに10年前に第3回汎太平洋リハビリテーション会議が東京で開催されたときにも来日されて,たいへんお世話になっております.いわば,日本のリハビリテーション事業について,外国人としては最もよく知っておられる第一人者といってもいい方ではないかと思います.
そういうお立場から,外から眺めた日本のリハビリテーションの発展の姿というものを,概括的に印象をお話しいただきたいと思います.
ウィルン 私がエキスパートかどうかわかりませんけれども,とにかく日本の状況を客観的に眺めることができたという点では,意見をいう意味があると思います.そして,どの国のリハビリテーションも,現在ではかなり国際化されておりまして,とくに外国から学ぶということは大切なことだと思います.私自身,外国の経験を学ぶために,いま旅行しておりますけれども,やはり外国の経験のよいところから,それを受け取り,学ぶということが,非常に重要なことだと思います.
リハビリテーションの全体像ということはよく聞かれることですけれども,私はリハビリテーションというのは,障害者援護の総体的な過程であると理解しています.しかしながら,そこには4分節があると思っています.いうまでもなく医療,社会,教育,職業という領域です.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.