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増大特集 知っておきたいリハビリテーション・テクニック
日常生活動作訓練のテクニック
コミュニケーション―コミュニケーション・エイドの種類と選び方
Communication Aids for Physically Disabled.
市川 洌
1
Kiyoshi Ichikawa
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute
キーワード:
コミュニケーション・エイド
,
操作スイッチ
,
パソコン
Keyword:
コミュニケーション・エイド
,
操作スイッチ
,
パソコン
pp.903-906
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107179
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はじめに
コミュニケーション・エイドという言葉は広い意味をもつが,肢体不自由者で発話機能に障害がある場合に利用する機器に限定して述べることにする.このような障害者とのコミュニケーションは健常者側が障害者の表現したいことを話してそのイエス,ノーの反応を見る方法や,五十音表を指で順次指しながら,まばたきなどのイエス・ノー反応で一字ずつ文章を構成する方法などがとられていた.このような方法は健常者側と障害者側との関係が密接な場合には簡易で相当な早さで意志疎通が可能であるが,特定の人としか意志疎通ができないという欠点がある.この問題を解決する手段のひとつとして文字を選択して文章を表現するコミュニケーション・エイドがある.この機器を利用できる障害者は文章を自分で構成できる程度の能力を有する障害者に限定される.
文章を構成するためには,表音文字である平仮名あるいは片仮名ないしはアルファベットを一文字ずつ選択しなければならない.この選択方式に文字盤から直接該当する文字を選ぶ直接選択方式と,文字行列を走査させながら文字を選択する走査選択方式とがある.前者は文字を直接選択できるだけの身体残存機能がある場合に使用し,後者は直接選択できる身体機能がない場合に,残存する1~2種のスイッチ信号(接点信号)により走査・選択するものである.
直接選択方式は主として重度の脳性麻痺者の会話手段として利用される.ここでは走査選択方式に限定して記述する.
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