学会報告
第13回東海リハビリテーション懇話会―1990年10月12日,於:名古屋大学医学部鶴友会館―上肢障害に対する機能訓練(第2回)
室賀 辰夫
1
,
猪田 邦夫
2
1名古屋大学医療技術短期大学部作業療法学科
2名古屋大学医療技術短期大学部理学療法学科
pp.571-572
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106832
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1.麻痺肢に対するFES
大阪労災病院リハビリテーション診療科 川村 次郎
脳卒中や脊髄損傷などの上位ニューロン障害による麻痺筋では,筋自体の電気刺激に対する感受性は残存しており,電気刺激を加えることによって四肢の運動を起こすことができ,機能的電気刺激(FES: Functional Electrical Stimulation)と呼ばれる.刺激方法は,皮膚の表面から行う表面電極法,経皮的にワイヤー電極を挿入する経皮電極法,電極とともに刺激装置も体内に埋め込む埋め込み電極法の3方法があり,それぞれに筋を直接刺激する場合と,支配神経を介して刺激する場合がある.現時点で研究が最も進んでいるのは,頸髄損傷の上肢に対する経皮電極法で,食事動作,書字動作などの日常生活動作に臨床的に応用できる段階に到達している.頸髄損傷の機能再建にFESを応用するメリットは,能動的に動く筋の数そのものが増加することであり,今後のME技術の発展とともに高度の可能性が期待できる方法である.
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