Japanese
English
研究と報告
脳血管障害片麻痺患者のADL評価法―スコア化について
A Study on the Scoring Method of ADL in Hemiplegic Patient with Cerebrovascular Disease.
佐久間 肇
1
,
草野 修輔
1
,
長谷川 恒範
1
,
森山 豊
1
,
木村 哲彦
1
,
新美 まや
2
Hajimu Sakuma
1
,
Shusuke Kusano
1
,
Tsunenori Hasegawa
1
,
Yutaka Moriyama
1
,
Tetsuhiko Kimura
1
,
Maya Niimi
2
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
2東京都老人医療センター
1Hospital, National Rehabilitation Center for the Disabled
2Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
キーワード:
脳血管障害
,
日常生活動作(ADL)
,
評価
Keyword:
脳血管障害
,
日常生活動作(ADL)
,
評価
pp.411-417
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107076
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はじめに
ADL評価はリハビリテーションにおける効果判定,予後予測などさまざまな目的に用いられ,日本ではBarthel Index1)(以下,Barthel)を代表とする海外で作成されたものや,各病院で工夫されたものが用いられてきた.さらに最近,多段階評価のFunctional Independence Measure(以下,FIM)が日本でも紹介され2),データベース化の観点からも注目され,今後の普及が期待される.
我々はこれらのADL評価法の最近の流れとは別に,ADL評価における点数評価の在り方に注目して検討してきた.すなわち,ADL個々の項目に重点を置いた検討とは異なり,個々の評価項目に妥当な重みづけ(以下,スコア化)を行うことで,その総得点により深い意義を見いだし,患者評価の簡便な指標とすべくスコア化の検討を行い,評価表の作成を試みてきた3).ADL評価が患者能力の総合的評価であることに鑑みて,これを各評価項目の加算結果である総得点での評価を試みることには簡便化以上の意味があり,さらに従来の報告に多く見られる順序尺度の数字の合計や平均点をもってさまざまな統計的検討を行うことには疑問があり4),難易度を一つの共通のスコア化の基準として用いることで統計的検討にも利用可能な討価表の作成が可能と考えた.
今回スコア化の方法に工夫を加え,スコア化ADL評価表のモデルとしてScored ADL Index of NRC(以下,SAIN)を完成し,他のADL評価表との比較などを通してスコア化の観点からADL評価の在り方につき検討を加えたので報告する.
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