巻頭言
あたり前のことを行うこと
岩崎 敬雄
1
1福岡大学医学部付属病院リハビリテーション部
pp.381
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107068
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リハビリテーションの守備範囲は非常に広く,その全部に精通することは至難のわざである.大学病院や総合病院のリハビリテーション部門には臨床各科からいろんな疾患についてのリハビリテーションの依頼があり,その要望に応えるために幅広い知識が必要とされ,最新の医学の進歩にも遅れをとらないように努力せねばならない.反面,各科の独立性や縄張り意識が強く,せっかくのリハビリテーション施設,サービスが活用されていない点もある.脊損センター,脳性麻痺施設,脳卒中センターなど特定の疾患が集中する施設では,その疾患に必要とされるリハビリテーションが十分に行える機会が多いと思われるが,自分を振り返ってみるに,どれも中途半端ではないのかという念にとらわれることもある.リハビリテーション医学講座やリハビリテーション専用ベッドを有しない多くの大学病院では,各科に対して何らかの遠慮があるのではなかろうか.当院でもリハビリテーション専用ベッドをつくる計画はあるが,いまだ発展途上段階である.
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