Japanese
English
短報
歩行観察による歩行安定性の評価―片麻痺患者における予備的研究
A Trial of Evaluation of Gait Stability with Observation: A preliminary study in hemiplegic patients.
塚本 芳久
1
,
本多 知行
1
,
秋田 一郎
2
,
国安 勝司
2
,
葺石 安利
3
,
水野 雅康
1
Yoshihisa Tsukamoto
1
,
Tomoyuki Honda
1
,
Ichirou Akita
2
,
Katsushi Kuniyasu
2
,
Yasutoshi Fukiishi
3
,
Masayasu Mizuno
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
2川崎リハビリテーション学院
3多根総合病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School
2Division of Physical and Occupational Therapist Training, Kawasaki Medical School
3Department of Rehabilitation Medicine, Tane General Hospital
キーワード:
歩行
,
片麻痺
,
評価
,
ファジィ理論
Keyword:
歩行
,
片麻痺
,
評価
,
ファジィ理論
pp.1085-1087
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106947
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はじめに
片麻痺患者における歩行の評価は,これまで床反力計など機械器具を用いる方法,歩行速度の測定など,課題テストを用いる方法が行われてきた1~5).しかし,これらの研究は歩行障害が軽いものを対象としたものであり,リハビリテーション医学で特に重要な歩行不能の対象を歩行可能にする段階ではあまり役に立たない6).こういった症例は従来,臨床的な分類7~9)が行われてきたが,いずれも歩行時に使用する下肢装具・歩行補助具によって,間接的に歩行能力を推測するものであって,歩行の運動学的な要素を十分に表していない.
以上の問題点に対して,歩行観察によれば,対象を選ばずに歩行能力を直接的に評価することが可能である6,10).しかし,主観的評価法であるために,観察者によって評価が一定しない欠点がある11).そこで我々は歩行観察における観察者の主観的判断の特性を調査し,その結果をもとに一致性の高い評価基準づくりを試みたので報告する.
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