ひと
日本医科大学リハビリテーションセンター初代教授に就任された 竹内孝仁氏
上田 敏
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1東京大学医学部付属病院リハビリテーション部
pp.771
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106875
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長年東京医科歯科大学のリハビリテーション部で奮闘してこられた竹内孝仁先生がこの1月に日本医科大学に新設されたリハビリテーションセンターの教授になられることを昨年末に先生御自身からうかがって,先生のために心から喜ぶと同時に,国立大学にはまだリハビリテーションの優れた人材を引きとどめておくだけの魅力がないのかと少々淋しい感じもした.
竹内先生がリハビリテーション論や老人福祉論,地域リハビリテーション論などの鋭い論客であることはその哲学者的な風貌とともに夙に有名である.リハビリテーションとは「生活の再建」であると説くその論旨は明快で,文章にも講演にもどこか乾いたアジテーションともいうべき熱気があって人を酔わせる.ソーシャルワーカーや保健婦さんたちをはじめ広い範囲の人々に根づよい竹内ファンが多いというのもうなずける.私などはいろいろと複雑な話をするのが好きなものだから,竹内理論とは大分違っているように見られることもあるようだが,リハビリテーションが「機能の回復」や病院内だけの身辺自立であってはならないという点では大賛成で,実は隠れた竹内ファンの一人なのである.
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