一頁講座 リハビリテーション関連用語集(4)
判定と認定
今田 拓
1
1東北文化学園
キーワード:
判定
,
認定
Keyword:
判定
,
認定
pp.473
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106807
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- 文献概要
判定も認定も本質的にはあまり違わない言葉のようであるが,使われる場面ではかなり異なっている.特に行政の現場では行政処分に際して用いられるので,その違いを何となく感じていることも事実である.どちらにもある「定」という字は「さだめる」または「きめる」であり,両者にとっては同じ意味であるとすれば,問題は「判」と「認」の違いということになる.すなわち,決定までの過程に異なる点があり,「認」の対象は実存していることそのものであるのに対し,「判」では決定するためにいろいろ考える,判断する過程があることである.
判定は「事物を判別して決定すること(国語大辞典)」と説明され,認定は「これこれだと認めて,そう断定すること.事実・資格の有無,または事柄の当否(同)」となっている.英語で判定は,judgmentあるいはfindingまたはdecisionとなり,認定はrecognitionあるいはacknowledgementとなる.認定はそのものずばりを承認するということに対して,判定には決定するために量や質が測られ,それを根拠に判断する物差し(評価尺度)が用意されている場合が多い.ボクシングの判定勝ちもまさにこれであろう.
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