特集 めまい—問診から治療まで
VI.障害者の認定
平衡障害者(福祉法)の認定—必須の検査と判定法
田口 喜一郎
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.859-862
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210207
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I.はじめに
平衡機能障害者が全国にどのくらい存在するか確たるデータはないが,厚生省特定疾患メニエール病調査研究班の調査成績によると,メニエール病患者は人口10万人当たり3.5人であり1),メニエール病患者は全平衡障害患者の10%程度と推定すると,わが国の人口約1億2千万人として平衡障害患者総数は少なく見積って42,000人程度存在すると考えられる。このうちどのくらいが身体障害者に相当するかは不明であるが,潜在的なものもかなりあると推測されるので,その認定は重要な意義を持つ。
平衡機能障害は聴覚障害との複合障害として出現することも多いが,聴覚障害に比して代償されやすく変動しやすいという特性を持つことを十分理解して,最も妥当と思われる判定がなされねばならない。そして判定の根拠は的確な平衡機能検査成績に基づくものでなければならない。
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