Japanese
English
増大特集 老年者とリハビリテーション
Ⅱ.老化の障害学
1.Impairment
歩行とバランス
Walking Patterns and Balance in the Elderly.
佐鹿 博信
1
Hironobu Sashika
1
1湯河原厚生年金病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yugawara Kousei-Nenkin Hospital
キーワード:
老人歩行
,
バランス
Keyword:
老人歩行
,
バランス
pp.305-309
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106772
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はじめに
老人の歩行と姿勢は老人性歩行(Idiopathic gait disorder of elderly: IGDE,小歩歩行・すり足歩行など)および軽度屈曲姿勢(軽度前屈肢位)を特徴としている.臨床的に正常とみなせる老人でもこうした変化を示し,また多発性脳梗塞やパーキンソン症候群の初期でも同様の歩行・姿勢の障害を示す.老人性の歩行だが臨床的スクリーニング検査で異常所見のない老人でも,頭部CT検査などの精査を実施すれば,多くの者が脳室拡大などの異常所見を示すという研究1)があり,したがって老人性の歩行と姿勢は正常な老化現象であるのか,病気による機能障害であるのか鑑別は困難である.本稿では,臨床的スクリーニング検査で正常とみなせる老人の歩行とバランスの変化について文献的検討を行う.
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