Japanese
English
特集 日常生活勤作
日常生活動作の概念と評価法の諸問題
Problems in Concept and Evaluation of Activities of Daily Living.
安藤 徳彦
1
,
大川 嗣雄
2
Norihiko Ando
1
,
Tsugio Ohkawa
2
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
2横浜市立大学病院リハビリテーション科
1Kanagawa Rehabilitation Center.
2Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University.
キーワード:
日常生活動作
,
生活関連動作
,
介助
,
評価法
,
多変量解析
Keyword:
日常生活動作
,
生活関連動作
,
介助
,
評価法
,
多変量解析
pp.773-778
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103638
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はじめに
従来,わが国ではADL評価法に関する本質論的な検討がきわめて不十分なままに,これが一搬に使用されてきた事実を否定できない.今田も指摘するごとく1),ADL評価は何を把えようとしているのか,その周辺に存在する各種評価との関係,physical function以外の障害の考え方,テストの実施者,ADLの範囲等について検討することが是非共必要であろう.
元来,ADL評価とは社会的(職業,教育)リハビリテーションに対する医学的リハビリテーションの領域の中で,残存能力を評価し,障害の原因を追求し,治療計画を立案し,治療効果を測定することを目的として実施されるものである.ここには機能を回復させるという目標はあっても,失われたものに対する補償とか保証という概念は存在しない.したがって,災害補償や障害年金のための診断とADL評価とは別個に扱うべきで,上田も述べるごとく,このためには,もっと広い視野に立った検討が必要であろう2).また一方,ADL評価に職業的要素を加えるのは,医学的リハビリテーションに対する職業的リハビリテーションの領域で評価方法を確立することを期待すべきであろうし,また,職業とか家事とかの各人ともに共通とはいえない要素を加えることは,ADL本来の意義から逸脱することにもなろう.
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