Japanese
English
特集 日常生活勤作
日常生活動作と建築空間・設備
The Activities of Daily Living, and their Architectural Spaces and Equipments.
陳 慧玉
1
Fui-yu Chen
1
1東京都老人総合研究所
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
キーワード:
日常生活動作
,
入浴
,
用便
,
調理
Keyword:
日常生活動作
,
入浴
,
用便
,
調理
pp.811-823
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103643
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はじめに
全般的に低い住水準しか確保できないわが国では,身体障害者に対する住宅保障制度もなく,住生活上の基本的なニードでさえ解決されていない実情である.たとえば,リハビリテーション医療を受けて,日常生活動作が自立できた者も,狭い,段差の多い自宅に戻ると,またもや全介助による生活に逆戻りする.あるいは,建築的に配慮された住宅さえあれば,一般と同じく自立した生活ができる者も,一生その機会・自信を得ることなく,施設内で,あるいは在宅で人の世話を受けながら,無為な毎日を過ごしている.このように,建築的障害によるハンディキャップト・パースンは,諸外国に比べて多く,抱えている問題も複雑であることがいえる.
基本的な日常生活動作を行う空間として,浴室・便所・炊事場が上げられるが,実態では図1に示すごとく,室の拡大から,浴槽・便器の取り変えなどの大改造および手すりの取りつけなどの小改造を行っている.ここ数年来筆者らは,調査・実験・設計をくりかえしながら,これらの行為と空間についての問題把握および設計提案を行ってきた.不十分ではあるが,この特集の要請に応じて一応整理したので,御参考になればと思う次第である.
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