院内管理のレベル・アップ リハビリ
リハビリテーション部門の管理・8
リハビリテーションにおける中間施設の意義
上田 敏
1
1東京大学リハビリテーション部
pp.66-67
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206405
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リハビリテーションの目的が患者(障害者)を社会復帰させることにあるのは,いまさらいうまでもない.ただこの場合の社会とは,病院から外に出さえすればよいというものではなく,その患者が本来属していた地域社会(家庭と職場を含んだ)に,できるだけ以前に近い座と役割とをもって,いわばもっとも有意義な形で復帰するのでなければならない.このような意味での社会復帰を促進するために,リハビリテーションの体系の中で重要な位置を占めてくるのが中間施設である.
中間施設という言葉は現在厳密な定義がないままにかなりルーズに使われている.つまり,病院などの純粋な医療機関ではなく,一方老人ホームや託児所のような純粋な社会福祉施設でもない,その両者の中間にあるような性格の施設をすべて中間施設と呼んでいることがかなりあるのである.その場合には特別養護老人ホームや障害者授産所のようなものも含まれ,非常に広い概念となる.ここでは社会復帰という見地から,「病院から地域社会への復帰の中間における通過施設」の意味に限定して述べることにしたい.このような意味での中間施設には①デイ・ホスピタル(day hospital),②ナイト・ホスピタル(night hospital),③ハーフウェイ・ハウス(halfway house)の3者が含まれる.
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