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特集 施設におけるリハビリテーション
中間施設におけるリハビリテーション―ハーフウェイハウス
Rehabilitaion Service in an Extended Care Unit: Half Way House.
古川 ひろ子
1
Hiroko Furukawa
1
1東京都板橋ナーシングホームハーフウェイハウス室
1Department of Half Way House, Tokyo Metropolitan Itabashi Nursing Home.
キーワード:
ハーフウェイハウス
,
日常生活動作訓練
Keyword:
ハーフウェイハウス
,
日常生活動作訓練
pp.559-565
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104021
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はじめに
医療施設における基本的な治療・訓練により,心身の機能の回復がある一定の域に達した患者が,家庭あるいは社会へ復帰しようとする時,医療施設と復帰先との生活環境(住環境も含む)の違いは大きな障害となる.
畳上での生活が中心である日本家屋においては床からの立ちあがり動作が不可欠であるが,たとえ医療施設においてマット上での基本動作を訓練していたとしても,実生活の中での必要度に対応していくだけの応用性はなかなか身についていないものである.単に入浴の例をとってみても,衣服をつけたまま空風呂で訓練する場合と実際に湯を入れて入浴してみる場合とを比較するとその違いは歴然とする.後者をはじめておこなってみた時,ほとんどの患者は極度に緊張し,どこをどう動かせばよいのかとの判断さえつかなくなる.ここで適切な指導がおこなわれないと患者は自信喪失し,依存度の高い結果となろう.
こうした障害を取り除き,心身に障害を持つ人々の自立生活を実現するためには,復帰先の生活形態に近い環境(設備)の中で専門的知識に基づいた訓練をおこなうと同時に,受け入れ態勢を整え,患者および家族が十分に自信をつけた上で復帰できるようにすることが望ましいと考えられるが,ハーフウェイハウスはこうした趣旨のもとに設置された医療施設と社会(家庭)との橋渡し的役割を担う中間施設である.
本稿では,昭和51年8月に東京都に設置されたハーフウェイハウスの概要説明に,短期間の経験を通しての考察を加えさせて頂いた.
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