Japanese
English
特集 子供のリハビリテーション
Ⅲ.子供のリハビリテーション(脳性麻痺を除く)
分娩麻痺のリハビリテーション
Functional Improvement of Birth Palsy.
近藤 徹
1
Toru Kondo
1
1埼玉医科大学リハビリテーション科
1Rehabilitation Medicine, Saitama Medical School, Faculty of Medicine.
pp.807-810
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106617
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
分娩麻痺のリハビリテーションが,障害児の中の一つの特徴を持った,疾患の社会への統合を意味するとすれば,機能改善の医学的な治療ばかりでなく,教育面を含めたより包括的なアプローチについてのべるべきであるが,社会環境,障害児の能力,など個別的条件が大きいので一般論としては述べにくい.ここでは,良い機能への医学的処置についてのみ述べる.
分娩麻痺の神経学的回復の予後は,損傷発生時にほぼきまり,機能的予後を最善の状態におく為の処置を行うことになるが,家族への指導,治療方針上など,分娩麻痺のnatural historyに精通していることが必要で,成因,経過,予後判定などから述べることにする.
分娩麻痺の機能的予後を支配するのは,勿論,神経回復の予後であるが,損傷された腕神経叢の直接的な修復以外に,この予後に治療によって直接に関与することはできない.神経回復の機序と程度によってきまる.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.